城山湖
昨日、城山湖に行ってまいりました。この城山湖は、神奈川県(ただし東京都の境近く)に存在いたします。
城山という山は全国各地にあるかと思いますが、城があった山ならばそう命名されるものなのです。この城山湖の北についていえば、八王子城の城山、それからその南西あたりでしょうか、そこにも城山(小仏城山)があります。
この城山湖の由来もおそらくは城山だと思いますが、確かめていないのでよく分かりません。城山は相模原市の城山町にありますが、この城山町は2007年3月までは独立した自治体でした。ついこの間編入されています。私の予想では、さらに南にある津久井湖の近くに存在する城山が元なのではないかと思いますが、これは津久井町に当たります。
このあたりには城山湖のほかにいろいろな湖があります。すべて相模川水系であり、城山湖の南の津久井湖、北西の相模湖、南の宮ヶ瀬湖です。
まあ、そんな城山湖に行ってきたわけです。その縁もありまして、少し城山湖について書いてみたいと思います。
城山湖伝説
昔な、城山湖の湖畔にたいそう美しい竜子という女子がおっての。その竜子が好いた若者と引き離されてしまったんじゃ。
竜子は毎晩泣きくれて、あるひ城山湖に入水してしもうたんじゃ。
城山湖の真ん中にある竜子島はその時できたんじゃ。竜子島は今でも竜子が死んだ季節には真っ赤に染まるのじゃよ。
などと、いかにもどこの湖にでもありそうな伝説です。
しかし、そのような伝説はあるわけもないのでした。なぜならば、先ほどあげた相模湖、津久井湖、宮ヶ瀬湖とともにすべて人造湖でして戦後に完成したダムによって作られているのです。
ダムと湖
上のような順番で作られております。湖ができるのはダムの完成よりは少しくらい早いはずです。たとえば宮ヶ瀬湖はダム完成の数年前にはできていたような記憶があります。宮ヶ瀬湖は比較的最近できた湖ですが、15年位前の地図ですと「宮ヶ瀬湖予定地」のように書いてありました。
津久井湖と城山湖
この城山湖と津久井湖は同時に完成しておりますが、実は兄弟なのです。城山発電所という揚水発電所があり、その上池が城山湖、下池が津久井湖になります。夜間に水を城山湖に上げ、昼間にその水で発電するという教科書に書いてあったことが実施されています。昼夜で28メートルの水位差があると書いてありました。
発電量の調整が難しい原子力発電所でベース電力を補い、火力発電所で季節ごとの需要を補う、そして水力発電所で時間ごとのピーク発電量を補います。このように、原子力、火力、水力の組み合わせによって効率的に発電が行われており、電力会社の不断の努力によって東京都民・神奈川県民の方々に安心して電力を供給できているのです。
と、東京電力のパンフレットに書いてありそうなことをわざと書いてみましたが、まあ、そんなことはどうでもよくて、城山湖と津久井湖は対になっているのだということなのです。
カシミール3Dで津久井湖の南の上空からパチリと撮影してみたものです。カシミールデータには城山湖の情報がないので、城山湖は私が適当に塗ってしまいました。ですので、正しいかどうかは少し怪しいのですが、いずれにせよ、城山湖は津久井湖の北にある小さな湖です。また、城山湖の北には草戸山があります。
ダムの関係
「脱ダム」などといわれておりましたが、ダムというものは、非常に重要です。なぜならば、ダムによって発電がなされる上、水量調節によって洪水を防ぐことができるのです。また、ダム周辺に雇用をもたらします。
などと、また、建設族議員のようなことをわざと書いてみましたが、そんなことは本稿ではどうでもよいのです。
これらの相模川水系のダムは次のような位置関係になっています。
城山湖観光
さて、この城山湖ですが、観光としては私には少し失敗でした。
一周する道はありますが、危ないので湖の近くにいけるわけでもありません。近くにあるのは加藤武雄文学碑ですが、これは加藤武雄さんの文学碑であるということは分かりますが、その彼を知らない私には何のことはないただの石です。
確かに自然は豊かですが、他の山と比べてどうこう言うこともありません。
私は、バスなどを使わず、北から攻めようと思いまして、高尾山口から南高尾の尾根を通っていくことにしました。この道がまた、死ぬほど退屈な道でして、だらだらしたアップダウンが続きます。一度通ったことがありましたので知ってはいましたけれど。
そこから城山湖に下りましたが、これもまた、うーんという感じです。野鳥とかに興味がある人にはいいのかもしれません。野鳥観察のなんたらとかありましたから。
というわけで、今回は城山湖でしたが、今度は宮ヶ瀬湖か津久井湖に行ってみようと思います。宮ヶ瀬湖から丹沢のほうにいけるならヒルの中を行ってみてもいいかも。